束の間のベルリンより
えっ! 7月も、もう31日?!
さてさて先日ベルリンに戻ってから、リハ三昧の日々を送っておりますが、
日曜日にはフィンランドの西にある古都ラウマに向かいます。翌日から毎年行っているFESTIVO音楽祭が始まり、一週間連続コンサート。午後と夜で違うプログラムの本番もあったりして結構タフなスケジュールです。
しかも今回の私はソロやソナタばかり弾くことになっているのですが、すでに初日のコンサートにはフィンランド国営ラジオが入るし、その日のプログラムは超絶技巧だし…というわけでチェロ雄も昨日から楽器屋さんにお泊まりで調整中です。
どうも日本滞在中に湿気にやられ、横のニスが小さく剥がれているらしくて(表には見えない)少し雑音がするのです。
それが…リハーサルの時には顕著だったくせに、楽器屋さんの前では雑音を消して元気なふりをする!!
リアクションが獣医さんに連れていくときのネロオにそっくりで…苦笑しながら置いてきました。
そうそう、ベルリンに戻った日にはちょうど南仏に滞在中だった
バイオリンの島田真千子ちゃんが
こちらに遊びに来てくれて、翌日は一緒にDas Schleswig-Holstein Musik Festival「シュレスビッヒ・ホルシュタイン音楽祭」を日帰りで聴きに行きました。
目的はマークが弾くMozart Piano Quartetのコンサート。
ドイツの北のシュレスビッヒ・ホルシュタイン州で行われる音楽祭の規模はヨーロッパ最大、期間中は様々な場所で催し物があります。この会場もハンブルグ近郊の町の教会でした。
チェロのペーターと真千子ちゃん。楽屋にはお手伝いの小母樣方の手作りクッキーや果物、サラダなどのスナックが用意されていました。巨大音楽祭なのに、こういうアットホームなところがドイツらしくて良いですね。
MPQはラウマ音楽祭に来るし、弦の3人とはフランクフルトのマスタークラスでも一緒。
8月はほとんど行動を共にすることになります。
古い石の教会の響きはまろやか。
この晩のシューベルト、メンデルスゾーン、とくに後半のベートーヴェンは彼ら十八番の「エロイカ」で(交響曲第3番をベートーヴェンの友人がピアノカルテットに編曲したもの。インティームな室内楽の形を通すと、作品の素晴らしさが更に浮き上がってきます。)大熱演!耳の肥えた聴衆の方々も大変に盛り上がった夜でした。
彼らは45分間かかったエロイカの後に、シューマンのピアノカルテットEsからゆっくりの楽章をアンコール…
本当にこちらの人は奏者もお客様もタフですね。
真千子ちゃんも短いけれど久々のドイツ滞在に大満足してくれて、翌日は元気にスイスへ発っていきました。
さてと、そろそろネロオ、違った、チェロ雄をひき取りに行ってきます。
今ごろ『誰も迎えに来やしない』、と不貞腐れているに違いありません。。。
猫も人間もチェロも、リアクションがあまり変わらないような気がする今日この頃です。