ベルリンで観た「アバター」:お薦め!
年の瀬が音を立てて押し寄せてきている気配…
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
ドイツに来てみれば、演奏家 の友人たちはこぞって風邪ひき揃い!
おかしいのが、みんな「今年最後のコンサート」を弾き終えた翌日に熱を出したりしていること。
今年のヨーロッパの寒波のせいではなくて、年末に出てくる一年の疲れなのでしょうね。
私はすこぶる元気(よく寝ています。連続12時間とか)で、
ベルリンのクリスマス市の写真もアップしないうちに
昨日の27日からデュッセルドルフに来ております。←雪が溶けたベルリン市内
仲の良いオルフェウス・カルテット+家族メンバーが集まって
リハーサル(私は練習)を兼ねての合宿状態です。
(彼らとの次回共演作品はシューベルトの五重奏。チェロ2本、不屈の名曲ですね!)
このまま大晦日ー年明けの儀式はこちらで行う予定。
で、まだベルリンにおりました一昨日のこと。
M夫のサプライズ(というか強制?)で映画が予約されており…観たのが
これ『アバター』
ええ~これ観るの?
これってSF?!
主人公の顔が青い話でしょ~!
との抵抗も虚しく
『まあまあ、あのジェームズ・キャメロン(タイタニックの監督)が14年間も構想を練った作品なんだから…』と連れて行かれた先はベルリンのソニーセンターでした。
ここは1日に7万人もの人が訪れる観光名所にもなっているPotsdamer Platzにある複合施設で
ベルリン国際映画祭も行われている場所だそう。
そういえば去年、「カンフーパンダ」のPR中だったジャック・ブラックに遭遇したのもここでした。
お目当てはここのシネプレックスにある3D映画館のシネスター・アイマックス。
なぜならば「アバター」は3D作品なのです!
そして、こちらがヨーロッパで最も大きいとされるスクリーン。客席は300少しくらい。もっと大きいのは500席を超えます。
で…笑える巨大3Dメガネワタクシの鼻には合いませぬようで…
そして、この映画なんと161分もかかるのでした。
3Dですし、さすがに長時間の上映は目が疲れます。
なので途中10分休憩を挟んでの上映でした。
お話はM夫曰く『ニュー・ポカホンタス』が納得のシンプルなストーリーですが
なにせ、やっぱり映像で入ってくる情報量が凄い。
目だけでなくアタマにも休憩がありがたく思えました。
もう1つ笑えたのがスナック類。これはLサイズの水。
1リットルです。
隣の人はバケツ(サイズ)に入ったポップコーンを貪っていました。
凄すぎる…
さすがドイツ人!胃のサイズが違います。
そして映画の内容ですが…
面白かった!!161分が短く感じられました。
とくに素晴らしかったのは、その景色です。
他の人は違うところで感動するのかもしれませんが
物語の舞台「衛星パンドラ」での見たことも無い豊かな自然に心奪われました。
夢のような空間に心躍りました。
青い人たちの仲間になって、あそこに住みたい(あれだけ動けたら!)と思ったくらい。
こんなに美しいのであれば3Dでなくても、感動したかも?!
いえ、やっぱり3Dでの「リアル感」は「2D+人並みはずれた想像力」を超えるのでしょう。
色んな香りや味までした気がします。
ちなみにベルリンでは今のところ3Dはドイツ語のみ。
オリジナルの英語で観たい人は2Dで、どうぞとのこと。
キャメロン監督、この脚本を書いたのが1994年だったそうです。
ストーリーの上では文字通りに『繋がる』ことがキーポイントになりますが、
なんとも、いろいろタイムリーなこと!
主人公の与えられたアバターは感じることのできる媒体
それに引き換え
強欲で目に見えるものと自分の力(暴力)だけを信じる侵略者(繋がらない者/破壊する者)
たちが使うプリミティブなメカが野蛮なアバターに映りました。
我々が良い方向に進化せず
時間とともに失うばかり、という証拠のような映画でもあります。
色んなことに、いま気がつかねば、と。
「どちらが本当の世界なんだ」と迷う主人公の姿は私たち そのものでした。
実は何を選択すべきかは明白な筈なのですよね。
自然破壊だけじゃなくて
侵略だけでなくて
文化破壊だって同じこと!!
全世界同時公開だったはずが、なぜだか日本だけ一週間遅れの12/23封切りとなったみたいですね。
お薦めの◎ですので、是非とも御覧になってください!
<ソニーセンターの巨大クリスマスツリー>