ベルリンお篭り日記6〜【ein zerbrechlicher Zwischenerfolg〜脆い仮初めの成功】
かつてないほど静かな復活祭
Easter Sundayの夜と翌日の朝に聴こえた教会の鐘がやけに荘厳で心に沁みました。いつもは明るく勇気づけてくれるように感じるのに。
今年はタマゴを飾る気にもなれず、、、
さて、ぜんぜん「折り返し地点」でなかった(とほほ)前回の日記(4/6)
復活祭休暇があけてメルケル首相がすぐに各方面の専門家とオンライン会議、本日14時から各州の首相との会議を行って、その直後に新型コロナウイルス拡大防止対策の緩和について発表しました。
記者会見のライブ配信が16:15くらいからということで、料理の下ごしらえをしながら横目でiPadを見ていたのですが、その前の会議が伸びに伸びている模様で待てど暮らせど始まらない。
ドイツは16の多様な連邦州でできているのですが、こりゃあ余程揉めているのかな。
会見の時間からライブ配信されていたので、早くから来ていた記者の人たちの様子をチェックしながら料理。
待ちに待ったためにフィンランドのサーモンスープ(Lohikeitto)、サーモンのムニエル、サラダに、胡瓜の浅漬けと明日のための仔牛肉のハンバーグまで出来てしまった。
ちなみにマークのリクエストのこれ↑
「新じゃがじゃなきゃダメ!」だそうで
フィンランド人にとってのソウルフードです。
作り方はシンプル、ディルをたっぷり効かせてね。
ベースはネギですが、私はしんなりなるまでバターで炒めた玉ねぎのみじん切りも加えています。
だからちょっと飴色。
さて、こちらは良いのですが、待たされるジャーナリストの人たちはさすがに苛々している様子で1.5メートルの距離を保ちながらも行ったり来たり、、、
そして2時間遅れで会見が始まりました。
メルケル首相をメインに、バイエルン州首相とハンブルグ市長、ショルツ連邦財務大臣が同席し、連邦政府と州政府の意見を発表します。
やっぱり前回の外出制限の折の緊急会見もそうでしたが、メルケルさんの言葉には説得力がある。
記者たちの質問にもご自分でメモを取られたらしいノートを片手に、自身の言葉で、市民の立場ではっきりと答えます。
先ずはドイツにおける感染数が横ばいになっており、3/15からの外出制限が効果を出していることへ言及「ドイツに住む、皆さんの協力のおかげで」と感謝を述べました。
ドイツ国民じゃないのです、ドイツに住むみんな!!
本当、前回もそう思ったけれど、人の心に訴えるスピーチ。
あのときは、感染の恐怖がある中でスーパーで働く特にレジの方、また物流関係の方たちへの謝意を特別に述べていたのが印象的でした。
今日はすべての医療関係者、そして老人施設で働く方への力強い感謝が胸に響きました。
さて発表があったのは
まず5/3まで3/22の基本的な外出制限は続けられるということ。不要不急の外出と人との接触を避ける生活です。
✳︎距離を最低1.5mの距離を保ち
✳︎同居人、家族やパートナーを別にして、3人以上での集まりは禁止
✳︎全ての飲食店は閉鎖。テイクアウトとケータリングは可能。
(外出の際は、身分証明書を携行)
新しいことは
◎4/20(月)より800㎡未満の小規模店に感染予防に気をつけるという条件つきで開店許可。
スーパーや市場などの食材、日常用品、銀行や薬局、そしてベルリンはもともと自動車、自転車販売店、本屋さんなどは空いていたのですが、さらに個人商店の洋服屋さんも大丈夫なのかしら?
残念ながら、待望の美容院はまだダメでした。接触するから。
◎レストラン、カフェ、バー、クラブそしてホテル等は引き続き休業
◎公的交通機関、店内でのマスク着用を推奨。
◎大規模な催しは8月31日まで禁止
規模の詳細はまだ
◎学校:ベルリン州では5月4日以降に段階的に再開、感染防止方法については州単位で決める。
あと政府として強く主張があったのは
◯感染者が出た場合の感染経路の解明
◯老人施設などにおいて接触制限による社会的孤立への対処
◯ 医療・福祉関連施設への医療用マスクの提供
◯検査数の拡大
キーワードはいまが
ein zerbrechlicher Zwischenerfolg
「壊れやすい暫定的な成功」
だということを忘れないことです。
【脆い仮初めの成功】といったところかなあ。
今日もメルケルさん以外の方も何度も仰っていましたが、感染者数が横ばいになって、有難いことに完治した方も多い、しかしながら油断大敵!!
すこしでも意識の低い人がいたら元の木網になる。
一人一人がどう新しい一歩を踏み出すか、それが重要なんだと聴こえました。
まだまだガラス細工のような状態のようです。
それでも、一歩進めたことに、いまここに在ることに感謝。
さっきマークは突然にバッハのソナタの1番を弾きだして、そのままノンストップで2番、3番へと突入していました。コンサートでもしないフルマラソンの全速疾走?!
ふむ、どんな状況でも私たちにはこれしかないものね。私もバッハを芯に、心を微調整していこうっと。
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