ハーゲンQコンサート私感

今日の日付で2度アップしてしまうことになりますが、ごめんなさい。


先ほどトッパンホールで来日中のハーゲン・クァルテットの演奏を伺ってきました。

こちらは「ハーゲン・プロジェクト2010」と銘打たれたトッパンホールの10周年企画、3日間の連続公演の中日。

もともと今日しか空いていない上に、チケットはもちろん夏前に完売!

…ということで今回は挫折しかかっていたのですが、なんとも運の良いことに音楽好きの友人が「ペア券が取れていたから」と誘ってくださったもの。

  K美さん、ありがとうございました!!

…で、久々にお目にかかった恩師たち(母校モーツァルテウム音楽院で2nd.ヴァイオリンのライナーにピアノ三重奏を、ヴィオラのヴェロニカには弦楽四重奏を教えて戴いていました)、なにやら微妙に恰幅が良くなられたりして見かけも「円熟期」?

いえいえ、舞台上でのオーラがさらに増した彼ら…
終わってから挨拶に行きましたが、相変わらずヴェロニカはチャーミングで見惚れるほど美しいし、ライナーの深くて優しいまん丸な瞳も健在。いつもオープンなクレーメンスも変わらずフレンドリーで、シャイでなルーカスの穏やかな微笑みもそのまま…やっぱり昔に+して深みが増してようで本当に素敵。

 さて肝心の演奏は…


期待と興奮に満ち溢れる観客席のざわめきが静まり、息を整えた瞬間に舞台に現れた奏者たち…

 軽い緊張感を持って滑り出したウェーベルンの世界。
 冴えた月に照らされて細い細い銀鎖に巻かれていくような気がする。

 最初の一音から自分の身体全体がアンテナになる…
 耳や目だけでなく、全身の肌が音を捉えている。
 覚醒していく。

そこに降り注ぐ音は粒子の細かい光りのシャワーのよう。
息もできずに聴いて、いえ、受けていました。

 アタマの中の雑音があっという間に霧散していった…

 そして、シューベルトの「ロザムンデ」
 進めば進むほどアンテナが深く、そして360度に広がってゆく。

そして心の扉が勝手に開いていくのに気が付くのです。

日本で忙しくなって雑多な生活を送ると、チェロに触れていない時以外は、まるで貝のように閉じてしまう-心の深い深いところにある扉の数々-

ザルツブルクで吸収した、あの息遣いにそれらは次々に開かれていく。
気が付くと、感情も感傷も関係ないところで涙していました。

 終曲はラズモフスキーの第2番。

 冒頭の一音から「ベートーヴェンのあのエネルギー」が満ち溢れる。
 変貌する水の流れに深い森の緑の息吹…

最後は体の中を吹き荒れる嵐が通過していくようでした。

 理屈いらない。
 アタマいらない。

いま身体の奥底で静かに共鳴しているものがあります。

 ありがとう。
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Category: 感想:movie&music エトセトラ
Published on: Sat,  02 2010 23:15
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クラシック カルテット ハーゲン コンサート